アニメ「風が強く吹いている」第1話を見た。
こんにちは、なんかお久しぶりな感じしますね。私は大学始まって割と憂鬱です。
オタク的には夏アニメが最終回を迎え秋アニメが始まる季節ですね。夏アニメ…思ったより豊作だったなあ。個人的には一つが大当たり覇権!って感じより佳作がたくさんあった印象です。どれが一番売れたんだろう…はたらく細胞かな?学校とか医療機関向けに素材を無料公開したということでも最近話題になってましたね。血小板ちゃんの可愛さ、恐るべし。
あ、私は樹状細胞さんとマクロファージさんが好きです。井上喜久子さん好きなので……。あとはヘルパーT細胞(CV:櫻井孝宏)も結構ツボ。それとがん細胞(石田彰)。挙げすぎとか言わないで。
日常系?ひさびさに見たけど、なんというかほどよく気が抜けて良いなと思いました。
さて、本日のお話は日テレにて10/2(火)深夜より放送が始まったアニメ「風が強く吹いている」について。
(前置きがめっちゃ長いので感想だけ見たい人は赤い大文字付近まで飛ばしてください)
原作は三浦しをんさんの同名小説。駅伝をテーマにした作品です。
最高に好き。何回読んだかわからない。
(※ここからめっちゃ常体で褒めちぎるタイム)
本作は高校時代から陸上をやっていた実力者のカケル(主人公)、ハイジを筆頭に、竹青荘に住む10人の寛政大学の学生たちが箱根駅伝を目指す物語。10人の中には陸上未経験者も多く、それどころかスポーツすらまともにしたことがない者もいた。
作者が構想から刊行までに10年以上もの年月をかけたというこの作品。夢物語とか御都合主義と言われるだろうことを承知の上で書き上げたこの一冊は、読んだら思わず走り出したくなるような……いや、むしろ読んでいる間に走っているかのような錯覚を起こさせるほどの、青い疾走感や若々しさを感じさせる。かといってよくある高校生青春物のような綺麗なテーマばかりではない。それぞれの抱える就職や家庭環境など、現実への苦々しさも掘り下げている。
駅伝に出よう、と言い出すハイジは、その当時でもう四年生だ。最初で最後のチャンスだった。
10区ある箱根に、控えもなく10人きりで挑む彼らの青春にこんなにも魅力を感じるのは、彼らが無垢に夢や希望を抱く人々ではないからこそなのだと感じている。
未読の方も居ると思うのであまり多くは語れないが、百聞は一見にしかず。ぜひ読んでみてほしい。映画やボイスドラマといったメディア展開もあるが、やはり原作が圧倒的におすすめだ。
さて、長い前置きを終えアニメの話に移りましょう。
アニメ化するとき、原作ファンが一番懸念すること。
「がっかりする出来になるのでは?」「イメージと違ったら…」「作品を壊されるのではないか?」
自分も多分に漏れず感じたことでした。実写化とかあんまり好きじゃないしね。既読の「すべてがFになる」「バッテリー」「舟を編む」といった作品がアニメ化した際も、原作と同等の楽しみを見出せませんでしたし。喜び半分不安半分、見るか見ないかも迷いました。
そんな中、視聴を決めたのはキャストだったんです(突然の声オタ)。
主人公のカケルこと蔵原走役、大塚剛央さん。
前者はラジオから応援していたアイムの新人さんで、アニメ初主人公でファンとして嬉しく思いました。後者は自分の脳内イメージにぴったりだったし、実力的にも申し分ない。完璧超人ハイジを演じる声優さんとして素直に期待できた。
そういうわけで公式ツイッターをフォローしたり、決起会(キャストトークショー)に参加したりもしたわけです。
そうしてやっとの思いで1話を迎えました(ここからセールスタイム)。
すごい。
何より原作まんまなんですよ。
原作を読んで浮かぶ映像をそのまま絵にしました、みたいな。これもう原作を台本にしてるんじゃない?みたいな。こんな原作に忠実なアニメ久々に見ました。感動した……。
作画が綺麗なのは言うまでもなく、隅から隅までクオリティが高い。構成も考えられてるし、カケルの走るシーンの息遣い、アオタケの薄汚れたビジュアル、10人での食事シーンのカオスさや裏の台詞。双子が思った以上に似ていたのも驚いた。双子が金髪であのヘアスタイルなのは意外すぎて最初「えっ…」と思ったけど、それが気にならないくらいキャラクターに好感を持てました。1年組の会話も楽しみだなあ。ユキさんやニコチャン先輩もキャラ立ってましたね。ユキさんは個人的に好きなキャラで、後半にも見せ場があるので楽しみです。王子は思ったより王子だったな。キラキラ飛ぶのは笑った。キャラが濃すぎるし10人も覚えられない!と思ったあなた、大丈夫、漫画の人とかタバコの人って覚えとけば大丈夫。
で、自分が何よりもすごい!と思ったのは、やっぱりハイジ役の豊永さんの力量でした。
本当にすごい。さっきハイジのことを完璧超人と書いたんですが、彼は乗り気でない竹青荘の住人たちをあの手この手で口説き落とし本気にさせていくんです。強引でつかみどころがなく食えない男。原作で描かれているこの人柄が、1話の時点で溢れ出ていました。
キャスティングの妙ですね。
以前、鳥海浩輔さんが「若い頃の演技はその時にしかできない。年を経るとどうしても貫禄が出てしまう。技術で若い演技をすることはできるが、若手の演技にはそれと本質的に全く違うものがある」と言っていましたが、ハイジはまさにそれが良い意味で作用したものだと思いました。ハイジというキャラクターの、年齢にふさわしくないほど出来る男ぶり。これは長年キャリアを積んだからこそ出来る演技だな、と。
対照的にカケルに新人の大塚さんを持ってきたのも素晴らしかった。人柄を知っているし応援している贔屓目もありますが、言葉数が少なく態度で語る様子がひしひしと伝わってきたし、ちゃんと存在感があり、ぶっきらぼうな様子が声にも良くあってました。これからどんどん台詞も増えていくと思うので期待したい。
細部までこだわっているのが伝わるからこそ、何度も見返したくなるし、原作を読み返してもみたくなった。原作片手に見るのも楽しそう。夢が膨らみます。
ひとつ、OPのユニゾンの曲だけが個人的には残念と思ったポイント。なんか言っちゃ悪いけど捻り過ぎというか、まあユニゾンらしいんだけど、この作品にはもっと普通の曲のほうが合ってるんじゃないかなあと思えてしまった…うーん、最終回までに慣れるだろうか。
冗長になってしまいましたが、作り手の愛に溢れた本当に素晴らしい作品だと思います。駅伝を好きな人も、興味ない人も、スポーツが嫌いでも楽しめます。気になった方はぜひ一度見てみてください。
それでは、またオタクが暴走したら会いましょう。ばいばい。